【創作小説】双子の姉妹 1話りんとりか

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これは趣味の延長線で書いた創作小説です。昔創作したものをリメイクしたものになります。軽い気持ちで面白おかしく楽しんで貰えたら幸いです。

 

 

■あらすじ
りかとりん。二人は性格は全く違うけど、顔はそっくりな双子の姉妹。
色々ありながらも毎日楽しく過ごしていた二人…だったが、りんが初めて仲良くなった他校の男の子の存在が、徐々に姉妹の関係に歪みを生ませていき――!?愛と執着のハラハラ豹変ラブストーリー。

 


 

「ほら、りか起きて~!!もう時間だよ~」

「ん、まだ大丈夫、もうちょっと…」

「わっ」

りかに腕を勢いよく引っ張られ、私は布団の上に顔を埋めてしまう。

「りんも一緒に寝よ~」

そう気持ちよさそうに目を瞑りながら話すりかを横目に、私は軽いため息をうつ。

「もぅ!昨日もそうだったじゃん。早くしないと置いてっちゃうよ!!」

「はいは~い。」

結局置いていかないことを見透かしているかのように私を軽くあしらってくる。一卵性の双子のはずなのに、私と違ってりかは朝がめっぽう弱い。毎朝起こすのは私の役目なのだが、これが本当に大変。めげまいと布団にくるまるりかを一生懸命叩き起こす。

 

りかとは朝の過ごし方にしろ性格にしろ、似ていない部分の方が多い。似てるといえば、見た目と食べ物の趣味くらいだ。あまりに性格が真逆なせいで、友だちから間違えられることは少ないのは良いところだけど…。

 

―――――――
―――

 

「ま…間に合った…。」

チャイムが鳴り終わるギリギリのところで教室に到着。なんとか朝のホームルームに間に合ったが、息がきれて疲労感が体を襲う。

「ほらね!間に合ったでしょ。」

「もう!!ギリギリだよ。私はもっと時間に余裕持ちたいのにっ!!」

自信満々、ドヤ顔で私に話しかけてくるりかを軽く睨み返したのに、りかはニヤニヤして私の話を聞いている。

「じゃあ私を置いて先に行けばいいのに~」

「じゃあ明日りかが起きなかったら、先にいっちゃうから!!」

「りんそれ昨日も言ってたよ。」

「ぐっ…今度こそ置いてっちゃうよ…。」

ムキになって反論するも、段々声が小さくなっていくのが自分でもわかる。結局私は放ってはおけないし、りかもそれをよくわかっている。

昔からそうだった。いつだって私はりかをまるで過保護なお母さんのように世話を焼いてしまう。双子の姉だからしっかりしないといけないと思っているからだろうか。ただ、そんな私の思いとは裏腹に、実際しっかりしていて要領がいいのは妹のりんの方だ。


 

「おはよ!相変わらず仲がいい双子だこと~」

「まこ!」
「まこちゃん!」

ホームルーム終了後、そう軽口を叩きながらやってきたのは私たちの共通の友だち、まこちゃんだ。

「そうなの。りんが本当私が大好きみたいで…」

「ち、違うよ。りかの方が私こと大好きなくせに!!」

「よく言うよ。聞いてまこ、今日だってね朝私が寝てたら私と一緒に学校行きたいからってずっと」
「もう余計なこと言わなくていいか…」
「はいストップーー!」

私とりんの言い争いを聞き飽きたと言わんばかりにまこちゃんが仲裁に入る。

 

「ったく、私もいるのにまーたすぐ二人だけの世界にいくんだから!」

「いってない!!」
「いってないよ!!」

同時に声を揃えて叫んだのを目の当たりにして、思わずまこちゃんが口に手を当てて笑う。

「いや本当仲いいよ。…ってもうあんたたちのせいで、言いたいこと忘れそうになったじゃん。」

そう言うと、まこちゃんは手に持っていた携帯を動かして画面を共有してきた。

 

「ここのジェラートがすっごく美味しいって今評判なの。今日の放課後行ってみない?」

画面に映っていたのは、可愛いのに美味しさも伴っていそうな見ているだけでヨダレがでてくるようなジェラートの写真だった。こんなの行かないだなんて選択肢は毛頭ない。横に首を向けると、同じようなことを思っていそうなりかが見えた。

 

勿論私たちは、二つ返事で

「「行くっっ!!」」

 

と威勢よくまこちゃんに伝えた。そして早速放課後寄り道することにした。今思うとこの時はまだ本当に平和だったなと思う。

 

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